丸山（2016）で使用した化粧テキスト最新版である。
今回のテキストは、高橋・有川(2014)、平野・有川(2015)で使用したテキストを、知的障害のある女性向けにさらに改訂を加えたものである。
改訂にあたっては、Ａ化粧品が知的障害特別支援学校の高等部卒業生を対象に開催している、化粧セミナーで講師をつとめている女性B氏の実際の講義の様子を観察し、さらに化粧指導についての課題分析を行い、指導プログラムのアウトラインが作られた。
また、テキストのパイロット版についても、B氏に確認をもらい、随時修正を行い完成させた。
テキスト改訂の大きな変更点は、写真を多用しているところである。
また、このテキストは、化粧の手順を映像で解説した「化粧ビデオ(i Pad)」、化粧動作をラップ調の歌にした「化粧の歌(化粧ビデオにも挿入されていた)」と合わせて使用するように出来ている。
参加者はこれらの教材を指導時、自由に使用できるようになっていたが、指導が進むにつれ、最もテキストの使用頻度が高くなっていったことが観察されている。
化粧スキルを習得した高等部に通う女子生徒は、休日に化粧をして外出する頻度が増えていった。また、参加者全員に共通していたことに、毎日スキンケアをする行動が観察されるようになっていた。
・丸山里奈(2016)「知的障害女性に対する化粧プログラムの有効性－特別支援学校に通う女子生徒への化粧指導を通して－」．特別支援教育専修年報，第8号,p41-p44.
・高橋美穂・有川宏幸(2014)「支援ニーズのある成人女性への化粧指導プログラムの有効性につい て」.日本LD学会第23回大会.
・平野志織・有川宏幸(2015)「障害当事者による他の障害者支援の有効性化粧指導プログラムを通して」.日本特殊教育学会第53回大会(於:東北大学)発表論文集.USB.
