特別支援教育ボイスジャーナル
対談 高橋陽子 × 有川宏幸「手話さえできれば、聾者と健聴者の心理的距離は近づく?!」へ
昨年は、某音楽家のゴースト騒動もあり、聴覚障害についてちょっとした話題になりました。手話と言う「言語」についても一時期話題になりました。
さて、今回のボイスジャーナルでは、手話と言う言語について話をしています。 私が前職の時、聾のお子さんを持つ、聾のお母さんの発達相談、進路相談に乗っていたことがあります。初めて会ったときは、筆談でやり取りしていたのですが、慣れない私は、実は伝えたいことが十分伝わっていないように感じました。次からは、手話通訳の方に入ってもらい相談をしたことを覚えています。その時、ちょっと話題になったのが「口話法」についてです。「口話法」とは、口の動きから言葉を読みとり(これを「読話」といいます)、手話ではなく音声言語を用いて意思伝達を行うというものです。もともとが健聴者との間のコミュニケーションを円滑にするというねらいから、一時期、聾教育の中で、積極的に取り入れられました。
実際に、そのお母さんは「口話法」について学校で徹底的に教え込まれたそうで、とてもイメージが悪いコミュニケーション方法として印象に残っていたようです。手話が自由に使えない環境に嫌悪感すら持っていると言ってました。なので、お子さんを聾学校の幼稚部に行かせることに、とても抵抗を感じることを最後まで訴えておりました。
人それぞれかと思いますし、地域によっても異なるかと思いますが、そのお母さんは「口話法」が徹底され、手話を使うと叱られるという聾学校を卒業していました(後で知ったのですが、その地域ではこの徹底ぶりで有名でした)。健聴者にはわからないという理由で、手話を使うことにとても否定的な教育が施されていたそうです。この話を聞いて、当時は手話を「言語」として学ぶ機会がもう少し公教育の中であってもよいかなと思っていました。最近では、合唱などでこうした取り組みもあり、よいことだなと思っています。
かく言う私はと言えば「手話、勉強しよう」と何度か試みてはいるのですが、なかなか持続できずEテレなどで見て覚えたスキットの内容(「私は、テレビが見たい」とか)を、断片的に覚えた程度で諦めてしまっています。 そして、すぐに忘れてしまう・・・。偉そうには言えませんね。
さて今回の話では、健聴者が手話を獲得しさえすれば、聾者のコミュニケーションは深まり、お互いの心理的距離は近づくかという研究テーマについて対談しています。
この研究を通じて、コミュニケーションの本質について考えさせられたことと、手話は日本語や英語と同じ、「言語」であるということを深く考えさせられた実践となりました。
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対談 高橋陽子 × 有川宏幸「手話さえできれば、聾者と健聴者の心理的距離は近づく?!」へ
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