今年度、県と協議会からの要請を受け連続研修を実施しました。

強度行動障害とは、診断名ではなく様々な要因が重なって、本人にとっても、また周囲にとっても、著しく生活の質が悪くなっている状態を指す言葉です。行動の種類は様々ですが、他害や自傷(ひどい場合は失明や頬の陥没などに至る場合もあります)、破壊などが見られます、養育や教育を通じて悪化していくことがほとんどです。

そもそも障害とは、当事者にとって様々な生きにくさがある状態であり、そのような状態をなんとか変えようと本人たちも必死なのです。でも、それが障害ゆえになかなか言葉や行動として人に伝えられない。当然、親や保育者、教師もどのようにかかわってよいか試行錯誤の連続になるわけです。時に、その試行錯誤が行き過ぎた躾を招き、虐待という状態に至ることも少なくありません。

今回の連続研修の背景は、障害当事者がどのように生活や環境を変えてほしいと願っているか、その願いを彼らの行動の中から拾い上げ、その背景をひも解く方略の一つとして、応用行動分析学に基づくアプローチを施設内で実践できるよう、施設職員向けに連続研修を実施しました。

初回、打合せ時に、成人施設のある一角を見学し・・・そこで生活する入所者の姿に、衝撃を受けました・・・。そこでこの一年間、どのようにこの方略を施設内で取り入れやすくするか、本当に少しでもハッピーな環境を提供することに成功するかなど、それこそ科学の力を借りて実践してみました。

そのあたりを対談しています。

対談 北野裕貴×有川宏幸「強度行動障害があってもハッピー施設を目指す 連続研修編」へ

北野(2015)の紀要原稿へ