昨年に続き、「障害者アート」についての研究です。私も、この研究はかなり入れ込んでいます。

昨年度は、学生が障害者アートをどのように見ているのかを調べてみましたが、そこでわかったのは「障害のある人が作った作品」という情報が加わると、作品への評価は高くなりました。

私たちが日頃、何気に使っている「障害者アート」ですが、海外では少々異なります。フランスでは、画家のJean Dubuffetが提唱した、本当に「生」の芸術と言う意味でArt Brut (アール・ブリュット)と呼ばれています。それをイギリス人の著述家・Roger Cardinalがoutsider art (アウトサイダーアート)と英訳しています。また、日本でも可能性の芸術運動を展開している播磨靖夫氏は、障害者の芸術が他のアート作品よりも下に見られていることに疑問を感じ、その可能性を広く多くの人に知ってもらうためにAble Art (エイブルアート)と呼んでいます。

日本においては、「障害者アート」は、芸術性の観点と、福祉的観点の両面があると言われていますが、このあたりの表現の問題はやはり大きいかもしれません。

さて今回は、昨年行った「障害者アート」についての評価を、教員や福祉施設の職員がどのように評価するかをテーマにした研究の紹介です。中でも、通常学級の教員と、特別支援学校の教員との間で意識に違いがあることなどを話しています。