注意欠如・多動性障害をもつ子どもたちは、授業中に椅子を前後にカッタン、カッタンしていたり、貧乏ゆすりをしていることがよくあります。倒れやしないかと心配になりますし、静かな教室に足がパタ、パタ、パタ動く音が響くと、周りの子に影響はないかと気になります。

でも、カッタン、カッタンしている子は、先生の方を見て、話を聞いていますし、問題を解いたり、ノートに黒板の文字を写したりもしています・・・・。客観的に見ていると、「とても不思議な現象だな」と思っていました。

実は、私も小学生の低学年のころ、貧乏ゆすりをよくしていました。その方がほどよく疲れてきて、頭が少しスッキリした気持ちになるのです。意図してしてそれをしていたという記憶があります。

なので、よく「落ち着きがないと」先生からも、親からも言われていました。高学年になると、そういう姿はなくなっていましたが、5年生のころ同級生が先生に「鼻歌がうるさい」と訴えたのです。自覚はまったくありませんでした。

そして、社会人になってからも、職場の同僚に「有川さん、よく鼻歌、歌っているでなぁ・・・」と言われたのです。これも、私自身まったく自覚がありませんでした。大人になってもまだ、続いていたようなのです。これには、さすがに恥ずかしくなりましたが・・・。

今は、研究室と言う個室を与えられています。鼻歌を歌っているかは、もう誰にもわからない状態ですが、学生からは「よく先生の部屋から独り言、聞こえてきますよ・・・」と言われます。

これも自覚がありません。基本的に、とてつもなく集中している時は、今でも体を動かしたり、鼻歌を歌ったり、独り言を言っているようなのです。

もっとも、自分が仕事に没頭できているかは、「音楽をかけていてもそれがまったく気にならなくなっているか」を指標にしています。数時間単位で、音楽が鳴っていることすらまったく気が付かなくなっていときもありますが、とても音楽が邪魔に感じるときもあります。

音楽を耳が聞いてしまうときは、集中できていません。かえって仕事の効率が悪いので、集中しなくてもできる仕事を、音楽を聴きながらしています。

「そんなことでは、集中できないでしょ!」とよく言われましたが、むしろ逆で、「シーン・・・」としている環境では、今でも落ち着かなくなります。なぜなのか、その理由はわかりません。

今回、紹介した研究は、そんな私にとっても「なるほど・・・そうかもね」と思えるものでした。論文は、onlineでこの4月に発表されたものです。

 

ボイスジャーナルは以下です。

落ち着きがないのか、集中しているのか? 再考すべき?AD/HDの指導法?!

 

論文は、電子ジャーナルとして発表されています。下記が著者、タイトルとなります。

Sarver, D.E., Rapport, M.D., Kofler, M.J., Raiker, J.S., & Friedman, L.M. (2015).Hyperactivity in Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder (ADHD): Impairing Deficit or Compensatory Behavior? Journal of Abnormal Child Psychology. Published online:12 April 2015.

http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10802-015-0011-1

なお論文自体は、springerにアクセスできない場合は、有料になるかと思います。

過去のボイスジャーナルは、こちら